食材仕入れのポリシー

坂安 食材仕入れのポリシー

 

当店の食材仕入れは、私自身が中央市場へ毎日出向き、見て触って品定めします。

私がポイントとしていることは、魚の場合

1、鮮度・肥え具合(脂の乗り)・活魚の場合は身の活かり具合

 

魚の鮮度は、エラをめくってきれいな真っ赤であれば新鮮、黒ずんだり色が変わっていれば古い。

(手を切った時真っ赤な鮮血が出ますが時間がたって固まると黒ずむのと同じ理由)

魚の目が極端ににごっていたり、うろこがはがれたり、表皮の色艶の無いもの、傷があるものは避けます。

やせている魚は、脂ののりが悪く、肥えている魚、一定以上の重さのあるものを選びます。

背側がしっかり肉がついて張っているものです。

造り用の魚は身を押して弾力のあるものほど、活け具合がよく、ピクッと反応するものは最高です。

焼き魚・炊く魚は反対に身が固いものを選びます。触って柔らかく感じるものは、下ろしたときに身が割れてしまいます。また、お腹の柔らかいものは特にダメで、えさをお腹にためたままになって腹側の身がずるけてしまっています。

一本釣りか網で取った魚かは大きく質に影響します。当然一匹づつ釣った魚のほうが良質です。

 

 

2、産地(漁港)・その荷主

 

魚によってどこで取れる魚が最上か、魚の生息海域は非常に重要です。

淡路島近海・対馬近海・丹後近海・能登近海などなど、

例えば、淡路島近海で釣り上げられたハモが淡路島の漁港で水揚げされ、OO水産から市場へ出荷されたもの。

淡路ブランドとして信頼性は高く、同じ淡路ブランドでもXX水産よりOO水産のほうが悪いものが混じっていない。などを一つの目安にします。ただ、№1ブランドは当然値が高いです。同じ淡路島近海で釣り上げられたハモが、対岸の徳島に水揚げされた場合、徳島産となり、ワンランク価格が下がります。入荷量が多い時はどちらのブランドでも良質のものを選ぶことが出来ます。

今日のお客様の予算がOO円、№1ブランドでは通常は高くて原価が合わないが、№2ブランドなら原価が合う。

同じ近海で取れた魚でも、品定めさえしっかりしていれば、この予算で、同じ上質のものが提供できる。

質が変わらず、安くてよいものを低価格で提供できるよう、日々探しています。

ブランドや荷主が№3・4であっても箱10本の中に1・2本上質のが混ざっていれば、低予算でも上質のものをお召し上がりいただけるわけです。

 

3、野菜の仕入れ

 

 

 

葉野菜に関しましては、まったく虫食いのない綺麗な葉の野菜は、避けております。農薬による栽培が疑われるからで、多少虫食いのあるもののほうが、安心できると思っております。

 

根菜に関しましては、形の整ったものより、多少いびつなもの、サイズがそろってないものを仕入れています。

 

当然形が整っているほうが、包丁はしやすいのですが、その分価格も高くなります。最終的には、お客様に姿のまま出すことは滅多にありませんので「質が同じであれば」いびつであっても、皮むき・適当な大きさに面取りして、形を作ってお客様にお出ししています。

 

地産地消、京野菜はブランド化されるほど質が高いです。当店では、地元の京野菜として「賀茂ナス・九条ネギなど」、農家の方から直接仕入れております。市場を通すより、何より鮮度がいいです。

 

4、仕入れの基本方針

 

ブランド・荷主は第一に念頭に在りますが、お客様の予算に合わせて、まずは、安くて良い物を仕入れることから始まります。台風や寒波で入荷が少なく苦労することもありますが、お客様に安心して美味しくお食べいただけるものを仕入れています。極端に言えばノーブランドでも、良いものは良い。№1ブランドでも悪いものもあるわけです。掘り出し物を見つけた時はいい気分で、これが楽しみでもあります。

当店は献立は固定せず、お客様の趣旨やご要望に沿って献立を組んでおります。特になければその日市場で仕入れたおすすめの食材で献立を組んでおります。旬の味と香りを大切に、器に趣を添えて!

お客様から代金を頂戴して京料理をお食べ頂くわけですから、その金額に見合うだけの食材を仕入れ、手間をかけて調理することは心がけているつもりでございます。

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